コラム・指導日記⑦                      テレビ向きか、舞台向きか?

先日、あるお母様から「うちの子はテレビ向きか、舞台向きか?」といった相談がありました。CMなど、タレントの活動を希望して活動を始めたが、演技が楽しくなり舞台もチャレンジしたいと本人が言い出した、とのことでした。

 

■近年子役の世界では、「舞台=ミュージカル」といったイメージが強くなりつつあります。ミュージカルを本格的に目指すのであれば、声楽、バレエやジャズダンスもやらなければ・・・、ということになり、大変な覚悟が必要になります。日本にある劇団全体の数でいうと、ミュージカル劇団よりもストレートプレイを上演する劇団の方が、圧倒的に多いのですが。

 

■東宝や松竹などの商業舞台にはミュージカル以外の子役出演作品がありますが、身近にチャレンジできる舞台は、キッズミュージカルや地域ミュージカルなど、ミュージカルになってしまいます。これは子どもを大勢出演させる時に、華奢な演技の子役でストレートプレイを上演するより、ダンスや歌を織り交ぜた方が場が持つし、見栄えもいいし、本人たちも達成感がありますから好都合なんですね。

 

■ただし、こういった作品にたくさん出演し続けても、ダンスは上達していっても演技は素人のままなのことが多く、俳優としての幹の部分が成長せずに先の見えない状態に陥りやすいようです。各地で上演してきた舞台劇「セロ弾きのゴーシュ」のように、歌やダンスに逃げることなく演技を土台にした作品がほとんど無い中、これからも上演し続けられたらと思っています。よろしかったらご一緒しましょう。

 

■そして、テレビも舞台もチャレンジできる環境にあるのでしたら、どちらかに絞らずに両方視野に入れられてはと思います。そして、どちらの活動にも共通して基盤になる「演技力」に磨きをかけることを大事にしていただきたいと思います。演技の違いを心配される方もいらっしゃいますが、優秀な方が両方で活躍しているようにプロのトレーニングを積めば、映像演技も舞台演技もちょっとした調整でどちらもできます。アニー役をやった澤田真里愛さんがテレビドラマ「ハガネの女 season2」の撮影中に相談がありアドバイスをしましたが、すぐに自分のものにし、堂々たる演技をしたように。